電車で出会った少年A
電車に乗ってたら
ネギを持った少年が横に座った。
少し驚いた。
大人だから何食わぬ顔で
ネギの香りをほのかに感じながら、
面接に向けて書類に目を通してた。
少年は電車を降りる時に、
「面接あるんですか?頑張ってください!」
と声をかけてくれた。
びっくりして、
「は、はい、ありがとう…ございます」
としか言えなかったけど
とっても嬉しかったし、
嬉しいという感情より先に、
“その少年に幸がたくさんありますように”
と思った。
そんな素直に幸せを願ってもらえるような人に
なりたいと思った。
都心にいると、
声をかけてくれる人はナンパが80%。
だから無視しがちだけど
優しい人もいることを忘れないで生きてたい。
名前も知らないし
顔もほとんど見てないけど
たぶんすごい大事な出会いだった。
ことは確か。
そのおかげで(?)
いつもは気持ち悪くなる電車もへっちゃらで
胃がおかしくなることもなく
自然体で面接を受けることができた。
たかが一言だけど
たかが一言で
人は強くなる。
そんな一言を紡げる大人になりたい。